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デルタ D-V 万年筆|レビュー(デルタ[DELTA]|万年筆)旧ドルチェビータとの比較

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記事公開日:2024年3月20日

ペン先(※): JOWO 固定なし
※ : JOWO社製のペン先で接着剤等で固定されておらず、外すことが可能
デルタ DV 万年筆

※ : 上の画像はペン先を変更しています

デルタ[DELTA] D-V オリジナル ミディアムサイズ (以降、”D-V” と記載します)。
地中海の太陽を連想させる印象的なオレンジ色。一度見たら忘れられません。しかし、旧デルタがまさかの廃業。そして、復活。

D-V オリジナル ミディアムサイズ。欧州規格の カートリッジ/コンバーター両用式、キャップはネジ式の大型万年筆です。

デルタ[DELTA]とは?

1982年にイタリア・パレーテで設立された筆記具ブランド。
代表的なモデルに「ドルチェビータ」があり、ボールペンや万年筆が販売されていました。

デルタは2018年2月に一度廃業しましたが、2022年12月に Maiora Pen Company がデルタの権利を取得し、復活しました。

主な変更点

D-Vと旧ドルチェビータではいくつか変更があります。下記が主な変更点です。

2024年3月 時点

ペン先の会社BOCKJOWO
ペン先の素材金、スチールの選択可

また、ドルチェビータ内でもいくつかの形状(シリーズ)がありましたが、下記は発売されていません。

  • スリム(※)
  • ミニ
  • スタウト
  • パピヨン

※ : 2024年9月追記 スリムは追加発売されています

この記事でわかること

■ デルタ D-V オリジナル ミディアムサイズの特徴・スペック
■ D-V と 旧ドルチェビータの違い

D-V オリジナル ミディアムサイズ

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一度見たら忘れられないオレンジ色

旧ドルチェビータをはじめて見た時のインパクトは忘れられません。ショーケースの中でひときわ目立つ存在。正直なところ 第一印象は ”こんな派手な万年筆、買う人いるの?” と思いました。しかし、それ以降、ショーケースの前を通るたび、気になって気になって仕方なくなりました。気付くと……だいぶ増えました。

デルタ[DELTA]D-V オリジナル ミディアムサイズ

旧ドルチェビータをはじめて見た時のインパクトはとんでもないものでした。しかし、2018年に廃業が発表された時は、旧ドルチェビータをはじめて見た時以上に衝撃を受けました。そして、2022年に復活!日本市場への本格的な復帰も間もなくのようです。

左がD-V、右が旧ドルチェビータです。下の画像はどちらもペン先を変更しています。
大きな変更点のひとつであるペン先が BOCK社製 から JOWO社製 に変更になっています。旧ドルチェビータはペン先を外すことができませんでしたが、D-Vはペン先が接着剤等で固定されていないため外すことが可能です(※)。
※ : こちらは日本市場向けになった場合、変更になる可能性がある?(接着剤等で固定される)と個人的に妄想しています。旧ドルチェビータはペン先が接着剤で固定されていましたが、私の物は運よく外すことができました

注意事項

ペン先の取り外しは自己責任でお願いいたします。

特徴・作り

特徴・作りを見ていきます。

レジン

デルタといえばやはり ”美しいレジン” です。同じイタリアメーカーのアウロラもそうですが、さすがイタリアレジンという印象。非常に美しいです。日本製でここまでキレイで攻めた色のレジン軸はなかなかありません。

形状

太く、どっしりとした形状。尻軸のリング付近が最も太いです。

下の画像の上が旧ドルチェビータ、下がD-Vです。
キャップリングがスターリングシルバーのため経年変化しています。正確に覚えていませんが 10年近く使用しています。D-Vの経年変化も楽しみです。

ペン先

D-Vのペン先は JOWO社製 6号サイズ。旧ドルチェビータ(※)との変更点のひとつです。
デルタの ロゴマーク、”DELTA ITALY”、(横に)字幅 が刻印されています。
自己責任となりますが、ペン先は取り合外しが可能。取り外すことができるのでカスタマイズが楽しめます。
※ : 旧ドルチェビータのペン先は BOCK社製6号サイズ

ペン先の比較

左がD-V、右が旧ドルチェビータ(※)。旧ドルチェビータの方が凝った作りです。
※ : 旧ドルチェビータのペン先は曲がってしまっていて筆記できません

注意事項

ペン先の取り外しは自己責任でお願いいたします。

カスタマイズを楽しみたい方は下記の記事をご覧ください。ペン先を購入した際の記事です。

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天冠

天冠にはデルタのロゴマーク。こちらはD-V、旧ドルチェビータで変更はありません。

キャップリング

キャップリングはロストワックス技法(※)で作成されたスターリングシルバーが用いられています。
※ : ロウや樹脂で作った原型を鋳砂で覆い、原型を溶かした空洞に金属を流し込むという歴史ある手法で、彫刻とは少し違った独特な質感を表現しています

細かな点ですが刻印されているホールマークが変更になっています。
まずはD-Vから。

ホールマークの ”925” が刻印されています。よく見ると ”925” が逆さまではありませんか……。
筆記に全く影響がないのでどちらでもいいですが。もしかしたら?レアかもしれません。

次に旧ドルチェビータのホールマーク。”★1CE” と ”925” と刻印されています。

ホールマークについて詳しく解説されているページがあったので下記のリンク先をご覧ください。中古筆記具等の買取・販売を行っているキングダムノートのページです。私もお世話になっています。

イタリアホールマークの話

キャップの文字

上の画像は左側がD-V、右側が旧ドルチェビータです。
文字は刻印ではなくプリントされています。10年近く使用していますが剥げていません(※)。
※ : 持ち運びの際は1本差しのペンケース等、他の筆記具と緩衝しないようにはしていました

キャップの先端が旧ドルチェビータの方が少しだけ盛り上がっています。ちなみにキャップは約1.2回で閉めることができます。

クリップ

クリップはデルタの特徴でもある ”ホイールクリップ”。ポケットに挟む際は生地を痛めることがありません。

インク補充方式

記事掲載の物は カートリッジ/コンバーター両用式 ですが、ピストン吸入式の物もあります。

コンバーター

コンバーターは付属されています。規格は欧州規格。

金属部には ”DELTA ITALY” の文字が刻印されています。通常、見えないところなのでこだわりを感じますが、製造コストが上がっていますね……。個人的にはプリントでよかったのでは?と思います。

デルタ製品のコンバーターは全てではありませんが、首軸に付ける箇所にネジがある物があります。D-Vはネジがあるタイプで外れにくくなっています。

下の画像はネジがないタイプの旧デルタのコンバーター。

カラー展開

D-Vは旧ドルチェビータ同様に銀色部分がゴールドメッキ加工されたバーメイルタイプがあります。

サイズ・重さ

サイズですが、職人による手作業での作成のため大きさは多少の差があります。

ドルチェビータ スリムを何本か所有しているのですがサイズがまちまちです。作成された年代によっても異なるのかもしれません。旧ドルチェビータのペン先も以前は18金だったようですし、様々なマイナーチェンジはされていると思われます。

計測箇所サイズ
全長138mm
キャップをはずした長さ 126mm
キャップポストした時
の長さ
170mm
キャップのみの長さ 64mm
胴軸最大径 15.8mm
キャップ最大径(クリップは除く) 17.4mm
計量パーツ重量
全体(※)36.2g
軸部のみ(※)25.6g
キャップのみ10.6g

※ : コンバーター込みの重量

重心

重心位置の2画像です。
まず、キャップポストした場合の重心は中心よりやや後ろ。

キャップポストしない場合、中心より後ろ付近。
大きい万年筆なのでキャップポストしない方が筆記しやすく感じます。

サイズ展開

記事掲載のサイズはミディアムサイズ。ミディアムサイズ以外にオーバーサイズがあります。
旧ドルチェビータにあった スリム、ミニ、スタウト はありません(2024年3月 時点)。

字幅・書き味

字幅と書き味についてです。

字幅

下記の字幅がラインナップされています。

  • EF
  • F
  • M
  • B
  • STUB(1.1mm・1.5mm)
  • FLEX(EF・F)

カスタマイズを楽しみたい方は下記の記事をご覧ください。ペン先を購入した際の記事です。

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ペン先がJOWO社製なので下の画像のようなソフトなペン先も使えます(※)。このペン先はパイロットのフォルカン10号と15号の間くらいの柔らかさで扱いやすいペン先です。
※ : 元々、字幅にFLEXがあるので ”14金製” × ”FLEX” を選べば、形状と硬さは同じではあります

書き味

ペン先は JOWO社製 なので、硬めでサリサリな書き味です。
書き味の比較は難しいのですが、パイロットとセーラー万年筆の間くらい(サラサラとサリサリの間)の書き味と思っています。

まとめ【デルタ D-V 万年筆|レビュー】

一度目にしたら忘れることのない鮮やかなオレンジ色。2018年に発表された ”廃業” もインパクトがありました。廃業が発表された時、ドルチェビータをはじめて見た時同等、いやそれ以上に衝撃を受けました。

そして、復活。これらの流れ、実は演出だったりして……。そんなことはないと思いますが、デルタ復活はいちファンとして素直に嬉しいです。

過去発売されたものが再版されるのか、まったく新しいものが発売されるのか(後者だとは思いますが)今後の展開が非常に楽しみです。

下の画像は ”デルタの後継?” とも噂されたレオナルド・オフィチーナ・イタリアーナのモーメントゼロ。”ドルチェビータがないなら…” ということでお迎えしましたが、(私の中で)やはりドルチェビータの壁は超えられませんでした。

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文房具(特に筆記具)が好きなサラリーマン。万年筆は139本(2024年12月現在)・ボールペンも約100本・シャープペンは約50本、木軸ペン、その他筆記具(フェルトペン、蛍光ペン 等々)も数え切れないほど購入しています。最近は海外のお店から万年筆のペン先を購入し、カスタマイズを楽しんでいます。壊してしまった万年筆が何本もあります。

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