ペリカン スーベレーン M805|レビュー(Pelikan|万年筆)優等生タイプ万年筆
記事公開日:2021年9月25日
ペン先(※): オリジナル 固定なし※ : メーカーオリジナルのペン先で接着剤等で固定はされておらず外すことが可能
ペリカン スーベレーン M805 です。
同じドイツのブランドで 最強のライバル モンブラン マイスターシュテュック と比較されがちな ペリカン スーベレーン。
タイトルにもあるようにスーベレーンは ”優等生タイプ” だと思っています。しかし、他のメーカーではあまりない、ペン先のみが販売されていて、字幅を容易に交換できることがいいと思っています。ペン先ユニットが一体型のためペン先がズレることがまずありません。
下記のリンクからペン先の購入ができます。
ペリカン スーベレーン M805
ペリカン スーベレーン M805 インク補充方法が吸入式の万年筆です。
以降、「M805」 と記載します。
カラーは ブラック です。
ペリカン スーベレーン は「M805」のように 4文字 または 5文字で商品の情報を表現しています。
① 「M」の意味は「万年筆」です。ドイツ語の「Mechanik(機械)」の「M」の様です。 他には「P:カートリッジ式万年筆」「K:ボールペン」、「D:シャープペン」、「R:ローラーボール」。
② 「80」の意味は「サイズ」です。 他には 「20」、「30」、「40」、「60」、「100」と数字が大きいほどサイズアップします。
③ 「5」の意味は「シルバートリム」です。 他には「0:ゴールドトリム」があります。
実用的な万年筆
とても実用的な万年筆です。
自宅、もしくは会社のデスク等 椅子に座って使うにはとても使いやすいサイズ感です。
外出先等での使用は 2段階下の 400 シリーズをおすすめします。
ペリカンの象徴、親子ペリカンです。
ペリカンの万年筆のイメージと言えば…
- キッチリとした印象(ドイツ人の印象?)
- 世界三大万年筆の一角
といったところでしょうか。
ペン・オブ・ザ・イヤー に何度も選ばれている万年筆です(※)。
※ : 雑誌「趣味の文具箱」で毎年実施されている人気企画です
ペン先で紙をなでただけでしっかりとした文字を書くことができます。
※ : Amazon カスタマーレビューに移動します
※ : 楽天みんなのレビューに移動します
スペック
大きさ
大きさ比較のために並べてみました。
上から セーラー万年筆 プロフィット21、プラチナ万年筆 #3776 センチュリー、ペリカン M805、モンブラン マイスターシュテュック 146 です。
形状
上の画像でもわかるように他ブランドと比較して先端、末端がカットされています。
個人的にこの形、好きです。
下の画像はペン先を極太(BB)バイカラーペン先に変更しています。
ペン先
ペン先には ペリカンのロゴ、18金、字幅 が刻印されています。
シルバー 一色です。
以前はバイカラーの時があったようですが現行品はシルバー一色です。
サイズ・重さ
計測箇所 | サイズ |
全長 | 142mm |
キャップをはずした長さ | 128mm |
キャップポストした時 の長さ | 165mm |
キャップのみの長さ | 66mm |
胴軸最大径 | 13.5mm |
キャップ最大径 (クリップは除く) | 15.2mm |
計量パーツ | 重量 |
全体 | 28.8g |
軸部のみ | 21.1g |
キャップのみ | 8.7g |
作り
レジン
クリップ、留め金以外 はレジン製です。
キズが付きやすいレジンだと思います。
キャップ
キャップはネジ式です。
乾燥には強いです。
約1回転 で閉めることができます(マイスターシュテュック 146 は約1.75回転)。
ただ、こちらは ”諸刃の剣” で移動の際にキャップが緩んでしまうことがあります。
インク窓
インクが入っていない状態です。
バランス
バランス
筆記の際は、キャップポストしても、しなくてもどちらもバランスがいいです。
個人的にはキャップポストしない方がしっくりきます。
長時間筆記も気にならない
軸が太め かつ 重め のため手に乗る感じで長時間の筆記も気になりません。
重心
重心位置の2画像です。
まず、キャップポストした場合、キャップの一番太い箇所で、中心よりやや後ろです。
下の画像はペン先を極太(BB)バイカラーペン先に変更しています。
キャップポストしない場合、中心よりやや後ろです。
書き味・字幅
書き味
ペン先は柔らかめです。M400、M600 は硬めの印象ですが、M800 は柔らかめです。
インクフローは潤沢です。
書いていてとても気持ちがいいインクフローです。
字幅
私の所有しているものは極細(EF)です(ペン先だけで 極太(BB) も所有しています)。
海外製(ウエスタンニブ)によくある ”日本製と比較して太め” の字幅です。
日本製に例えると細字から中細といった感じです。
下の画像は字幅のサンプルです。
紙はニーモシネ 5mm 方眼です。
ペン先が外せる
スーベレーンはペン先を外すことができます。そのため、ペン先だけでも購入することができ、字幅を変更することも可能です。
ペン先だけでも販売しているので、これはペリカンのいいところだと言えます。
下記のリンクからペン先の購入ができます。
追加で購入した極太(BB)のペン先です。
ペンポイントがデカイです。
気になるところ
個人的には下記の点が気になります。
※ 1:これは仕方ないんですかね。価格を忘れさせてくれる素晴らしいものではありますが、簡単に買える金額でないのも否定できません。
※ 2:全体的にキズがつきやすいです。特にキャップの閉めるためのスリキズが多く付きます。まぁ、キズも勲章ですね。掲載のブラックは特にキズが目立ちます。他の縞軸もキズは付きますがブラックほどは目立ちません。
※ 3:キャップを閉める回数が少ないがゆえのデメリットです。
※ 4:「優等生タイプ」と言っている所以です。
ペンオブ・ザ・イヤーに輝くほど、素晴らしい万年筆であることは間違いないです。
間違いないのですが完璧過ぎておもしろ味がないと言えばいいのでしょうか…。
スリキズの原因
スリキズが多い原因の一つとしてキャップの内側のザラつきがあります。
私はスーベレーンは購入した際、#1500 のヤスリで削っています(5、6 周程度)。
完全に防ぐことは不可能ですが軽減されます。
まとめ【ペリカン スーベレーン M805|レビュー】
優等生タイプの万年筆、書きやすく、万年筆として素晴らしい ものである ことは間違いないです。道具としては最高です。
ただ、優等生過ぎておもしろみを感じないといいましょうか…。
私の様にいろいろ試して「あーでもない」、「こーでもない」いう人間には向かないのかもしれません。
それとも 本当の良さ がまだわかっていないのか…。
最終的にはここにたどり着くのか…。
以上、ペリカン スーベレーン M805 でした。
購入検討の際にお役立てください。
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