万年筆

ギター万年筆|レビュー(寺西化学工業|万年筆)

紙とペンのブログ管理者
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記事公開日:2022年8月14日
2023年4月27日 新モデル ”ブリランテ” 情報を追記しました

”マジックインキ” でおなじみの 寺西化学工業 から ”ギター万年筆”が登場。軸が金属製でコンバーターが付いて2,500円(+税)とお得な 1本。ペン先が硬めで普段はボールペンの方も使いやすいです。

ギター万年筆 とは?

万年筆の魅力を知りたい方におすすめの一本。
(万年筆)ならではの気持ちよい書き心地が楽しめます。

コンバーター式で本格仕様。さらりと手馴染みのよい質感と重み。
使う人を選ばず、飽きのこないエレガントなクラシカルデザイン。
使うほどに愛着が湧く理由がつまった万年筆です。

公式サイトより引用
公式サイトはこちら

この記事でわかること

■ ギター万年筆のどこよりも詳しい情報


この記事を書いた管理者
これまでに136本の万年筆を購入してきました(2024年11月現在)。
最近では海外からペン先を購入してカスタマイズを楽しんでします。それらの知識をもとに記事を記載しています。

新モデル ”ブリランテ” 登場 2023年4月27日 追記

ギター万年筆より”ブリランテ” が登場しました。
この記事で紹介しているこれまでの”ギター万年筆”とは異なり、軸のカラーも明るめのカラー展開もあります。さらに軸の金属部、ペン先がゴールドとなり華やかさがプラスされています。

気になる方はチェックしてみてください。

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ギター万年筆 の特徴

ギター万年筆-トップ-2

この記事 掲載の軸の色は レッド。

注 : メインの画像は レッド 軸ですが、一部 ブラック 軸の画像も掲載しています。

高級感のあるデザイン

金属製の軸で高級感があります。”メインカラー+シルバー(ガンメタル)” でクールな印象です。

ほどよい重さで手になじむ

軸が金属製のため重さがあり、重めのペンが好きな人にはピッタリ。

コンバーターが付属

コンバーターが付属されているため、購入してすぐに好きなインクで筆記可能です。

※ : ”欧州規格”(ヨーロッパ規格)カートリッジ が 使用可能
公式サイトでは ”コンバーター式” と記載ですが、欧州規格(ヨーロッパ規格)のカートリッジが使用可能です。ショートタイプ、ロングタイプ ともに 使用可能 です。
ただし、メーカーは自社製インクの使用を推奨します。使用する場合は自己責任でお願いいたします
通常、コンバーターを単品購入しようとした場合、安くても 500円はします。
それを考えるとお得な 1本です。

ギター万年筆-トップ-3
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基本情報

ギター万年筆-トップ-1
商品名ギター万年筆
発売日2022年8月8日
価格(税抜)2,500円
インク補充の方式コンバーター式(※ 1)
カートリッジの規格
(※ 1)
欧州規格(※ 1)
重さ(※ 2)30.2g
キャップの形式嵌合式
ペン先スチール
字幅F(細字)

※ 1 : 公式サイトでは ”コンバーター式” と記載ですが、欧州規格(ヨーロッパ規格)のカートリッジも使えます。ショートタイプ、 ロングタイプ ともに 使用可能
※ 2 : 付属されているコンバーターを含む

寺西化学工業 ギター万年筆

”マジックインキ” でおなじみの 寺西化学工業 から発売された ”ギター万年筆”。
まずは特徴です。

エントリークラスの価格

万年筆としてはエントリークラスの価格帯。通常、コンバーターを単品購入しようとした場合、安くても 500円はします。それを考えるとお得に感じます。

ペン先が硬めで癖もなく、はじめての万年筆にもいい 1本です。

落ち着いた高級感のある外観

軸の色は ”レッド” なのですが 派手な赤ではありません。
シルバー部分も黒みがかったシルバー、いわゆるガンメタルで 全体的に落ち着きがあります。

購入前に公式サイトで見た時、シルバー部分は ”若干、黒みがかったシルバー” に見えました。しかし、実際は ”黒に近いシルバー(ガンメタル)” だったので想像以上に落ち着いた印象で非常にクールです。

ツヤ消し仕上げ。ツヤ消しですが滑り止め加工等は施されていません。しかし、特にすべりやすい印象も受けません。

気になるところ

詳細の情報の前に ”気になるところ” から。個人的には下記の点が気になります。

> 詳細情報は こちら
(ページ内のリンクです)

気になるところ

■ 日本製のペン先と比較して字幅が太い(※ 1)
■ 字幅が F(細字)しかない
■ キャップポストした際、キャップが取れやすい
■ インクが付属していないので別途 購入が必要(※ 2)
■ ペン先のメッキが不明&不安(※ 3)
■ 取扱店舗が少ない(※ 4)
■ もう少しインクフローがよい方がいい(※ 5) 

※ 1 : 字幅が日本製(パイロット、セーラー万年筆、プラチナ万年筆)と比較して若干太字です。おそらくペン先は海外OEMだと思われます。細かい文字(5mm方眼程度、小型サイズの手帳 等)での筆記を目的にするとなると少し太いかもしれません。
メモ等でサっと筆記するにはちょうどよい字幅だと思います。
※ 2 : コンバーターが付いていますがカートリッジは付属していません。別途、ボトルインクの購入が必要です。「ハイカラインキを使ってね」というメッセージですね。
欧州規格(ヨーロッパ規格)のカートリッジが使用可能ですので購入すればカートリッジでも使用は可能です。ただし、一般的にメーカーとしては自社製インクの使用を推奨します。使用する場合は 自己責任でお願いいたします
カートリッジのお手軽さ を求める方もいると思うので気になるところにあげました。
※ 3 : 何メッキか不明ですが、古典インク、酸性度が高いインクは使えないかもしれません。
※ 4 : 今後は増えていくのでしょうか。都内大型店でも取り扱いがありませんでした(丸の内にある某 本と文具のお店)。お盆時期だったからでしょうか。結局、インターネットで購入しました。
※ 5 : ペン先ユニットの問題ですが、もう少しインクフローが良くてもいいと感じます(3本お迎えしましたが 3本とも同じ印象です)。潤沢なインクフローが好きな人にはおすすめしません。しかし、インク・紙との相性もあるのでいろいろ試してみる必要がありそうです。

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おすすめしない方

下記の方は同価格帯の ”パイロット ライティブ”(※) を選択した方がいいと思います。

おすすめしない方

■ 字幅を選びたい方
■ インクフローが潤沢なものを求めている人
■ ”やわらかい書き味” を求めている人(※)

※ : ライティブが特別にやわらかいということではありませんが、ギター万年筆よりはやわらかい書き味です。そして、パイロットは日本三大万年筆メーカーの中でインクフローがよい傾向にあります

> 字幅のサンプルはこちら
(ページ内のリンクです)

パイロット 万年筆 ライティブ の記事です。分解して詳細まで調査していますのでご覧ください。

こちらもおすすめ
ライティブ(LIGHTIVE)|レビュー(パイロット|万年筆)
ライティブ(LIGHTIVE)|レビュー(パイロット|万年筆)

スペック

それでは ギター万年筆 の詳細情報です。

コンバーターの仕様

下の画像が付属されているコンバーター。”欧州規格”(ヨーロッパ規格)といわれるもの。
棚吊り(※)対策のバネが内蔵されています。

※ : コンバーター内部(上部)でインク止まってしまい、インクがペン芯まで降りてこない現象

欧州規格(ヨーロッパ規格)のカートリッジも使えます。ショートタイプロングタイプ ともに 使用可能

下の画像が 欧州規格(ヨーロッパ規格)のカートリッジ。上からショートタイプ、ロングタイプ。日本メーカーであれば OHTO社(ショートタイプ) のものが使えます。

ロングタイプはペリカンの物が取扱店舗も多く、手に入れやすいかもしれません。

ペリカン ロングタイプ カートリッジ

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OHTO カートリッジ 6本入り

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サイズ・重さ

計測箇所サイズ
全長138mm
キャップをはずした長さ 120mm
キャップポストした時の
長さ
152mm
キャップのみの長さ 58mm
胴軸最大径 11.0mm
キャップ最大径
(※ 1)
12.2mm

※ 1 : クリップは除く

計量パーツ重量
全体29.7g
軸部のみ(※ 2)17.9g
キャップのみ11.8g

※ 2 : 付属されているコンバーターを含む

サイズ比較

少し前に発売された ”パイロット ライティブ(LIGHTIVE)” とサイズ比較です。
同価格帯ということで比較してみました。

ギター万年筆ライティブ
全体の重さ(※ 1)27.1g12.5g
全長138mm142mm
キャップを外した長さ120mm128mm
同軸最大径11.0mm12.4mm

※ 1 : 本体のみ。カートリッジ、コンバーターを除く

作り(素材・外観の特徴)

金属塗装仕上げ

首軸、同軸、キャップすべて金属製。ツヤ消しの塗装が施されています。

首軸と胴軸の接続部。両方とも金属製で耐久性は高そうです。

クリップ

クリップはシャープな印象のクリップ。ほどよい硬さでホールド感はGoodです。

挟む際に生地を痛めないよう、丸く加工されています。

キャップ

キャップは嵌合式。「パチン」と閉めるタイプです。キャップに空気穴はありません(息を吹き込んでも抜けませんでした)。キャップを閉める音がクセになりそうなよい音です。天冠にもペン先と同じギターブランドのロゴが刻印されています。

カラー展開

この記事のカラーは ”レッド” です。
レッド 以外には下記のカラー展開です。

  • ブラック
  • グリーン
  • パープル

ペン先

ペン先には ギターブランドのロゴ、字幅 が刻印されています。

メーカー保証対象外になるのは承知の上でペン先ユニットを外しました。
首軸には接着剤等で固定されておらず、ゴム板のみで ”ペン先ユニット”(※)を外すことができました。
そして、ペン先は比較的お手頃な万年筆に使われているもの(”IRIDIUM POINT” と刻印されているもの)と同じように見えます。
※ : ここでいう ”ペン先ユニット” とは ”ニブ” + ”ペン芯” + ”ソケット”(ハウジング) を指しています
注 : 取り外しの際、ニブとペン芯がズレやすいです。テープ等での固定が必要です

字幅(字幅サンプル)・書き味

字幅

字幅は掲載の F(細字)のみ。日本製より若干太めの字幅。今後は別の字幅も発売されるのでしょうか…。

字幅サンプル

下記リストの字幅サンプルです。比較として パイロット ライティブ と ボールペン のサンプルを掲載します。

  • ギター万年筆(F)
  • ライティブ(F)
  • ジェットストリーム(0.7mm)
  • ジェットストリーム(0.5mm)
  • アクロインキ(0.7mm(F))

万年筆は個体差、筆圧の違いで字幅が異なりますので参考程度でお願いいたします。

紙は マルマン ニーモシネ 方眼(5mm)、インクは ペリカン 4001 ロイヤルブルーです。

(おそらく)ウエスタンニブ(※)ということで 若干太めの字幅です。

※ : 西洋向けニブ(ペン先)のことを指します。漢字等の細かい文字を書くことのない西洋(主にヨーロッパ)の字幅は日本製の万年筆よりも一般的には太い字幅の傾向があります。日本向けのニブ(ペン先)を ”ジャパニーズニブ” と言ったりもします

> ”気になるところ” に戻る

書き味

硬めの書き味。癖はなく、万年筆らしい字(※ 1)を書くことが可能。カリカリ感はありません。

※ 1 : 力の入れ方により、文字に太い、細いの強弱をつけることができる

硬めのペン先なので普段はボールペンの方も使いやすいです。”パイロット ライティブ” との比較になってしまうのですが、ライティブの方がペン先がしなります。はじめての万年筆の方の場合、ライティブよりも扱いやすいかもしれません(※ 2)。

※ 2 : 万年筆が初めての場合、強い筆圧で使用する方が多いので ”扱いやすいかも” という意味です。硬めのペン先なので強い筆圧でもペン先が負けません。
筆圧が強すぎるとペン先が開いてしまったり、最悪の場合、ペン先が曲がってしまい書けなくなってしまうこともあります。

バランス

キャップポストしない方が扱いやすい

キャップポストするとどうしても高重心になります。キャップポストする場合、寝かせ気味(45度よりも寝かせる)で自重で書くことが楽に筆記できる角度のように感じます。

キャップポストしない場合は 45度程度に寝かせると書きやすいです。個人的には キャップポストしない方がペン先がコントロールしやすく、書きやすい印象です。あくまで個人的な感想です。

重心

重心位置の2画像です。
まず、キャップポストした場合の重心はキャップとの境目の少し前です。

キャップポストしない場合、真ん中より気持ち前付近。

まとめ【ギター万年筆|レビュー】

ギター万年筆 のレビューでした。

万年筆としてはエントリークラス価格帯の万年筆。癖のない硬めの書き味、”メインカラー+シルバー(ガンメタル)” で非常にクールな印象。軸が金属製のため高級感もあわせ持っています。

ギター万年筆は下記のような方に合いそうです。

ギター万年筆が合う方
■ 重めのペンが好きな人
■ 見た目に高級感を求める方
■ お手頃価格で万年筆の筆記を楽しみたい方
■ 筆圧が強いと感じている人

化粧箱もしっかりした作り

最後になってしまいましたが本体が入っていた化粧箱。かなりしっかりした作り。

この価格帯でここまでしっかりした作りの化粧箱はめずらしいと思います。
プレゼントにも喜ばれると思います。

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文房具(特に筆記具)が好きなサラリーマン。万年筆は136本(2024年11月現在)・ボールペンも約100本・シャープペンは約50本、木軸ペン、その他筆記具(フェルトペン、蛍光ペン 等々)も数え切れないほど購入しています。最近は海外のお店から万年筆のペン先を購入し、カスタマイズを楽しんでいます。壊してしまった万年筆が何本もあります。

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