ワンチャー[Wancher]万年筆 ドリームペン チタン・ブラック|レビュー
記事公開日:2024年1月7日
ペン先(※): オリジナル 固定なし※ : メーカーオリジナルのペン先で接着剤等で固定されておらず、外すことが可能。JOWO社製ペン先にも変更可能
※ : 上の画像のペン先はJOWO社製の物に変更しています
ワンチャー[Wancher]ドリームペン チタン・ブラック 万年筆。 ペン芯以外がオールチタンで作られたチャレンジングな万年筆です(厳密にはハウジングもチタンではありません)。
ワンチャー社製は樹脂軸万年筆(禅シリーズ)、チタン万年筆 プリモ[PRIMO]に続いて3本目となります。
個人的に少し前から金属軸ブームが来ており、チタン軸に興味を惹かれ、同じくワンチャー社製 チタン万年筆 プリモ[PRIMO]お迎えしました。そして、このドリームペン チタン・ブラック 万年筆もお迎えしました。
気になったのは下記の2点。
- 重すぎる
- キズが付きにくいコーティングのはずがキズがつく(※)
※ : ”PVDコーティング” が施されているためキズがつきにくいはずなのですが、初日にキャップポストしたところキズがつきました。キャップポスト非推奨であれば目立つところに記載して欲しいと思いました
ワンチャー チタン万年筆 プリモ[PRIMO]の記事です。
ドリームペン チタン・ブラック 万年筆
■ ドリームペン チタン・ブラック 万年筆の特徴・スペック
ドリームペン チタン・ブラック 万年筆
ドリームペン チタン・ブラック 万年筆。
カートリッジ/コンバーター両用式。規格は欧州規格(ヨーロッパ規格)です。
※ : 上の画像のペン先はJOWO社製の物に変更しています
大分県にある日本の企業。
2011年創業と万年筆業界では新生ブランドではあるが、漆(輪島塗、会津塗 等)、蒔絵、エボナイトなど伝統的な技を取り入れ、日本三大万年筆メーカーにはない、特徴のある万年筆を数多く世に送り出している。
作り
軸
ペン芯を除いてオールチタンで作られた万年筆です(厳密にはハウジングもチタンではありません)。
ペン先もチタン製。しかもペンポイントのイリジウムもついていないようです。
軸の表面には ”PVDコーティング” によるブラックマット加工が施されています。均一の薄い膜でコーティングすることでムラのない美しい発色を実現し、また傷が付きにくいという特長もあるとのこと。サラッとした肌触りです。
オールチタンの万年筆、幼少時代にオール金属製ロボットのおもちゃを手にしたようなワクワク感があります(※)。
※ : 昭和生まれの方には共感いただけると思うのですが…
ペン先
メーカーのロゴが刻印されたワンチャーオリジナルチタンニブが搭載されています。しかもこのペン先、ペンポイントまでチタンでできているようです。
ショーンデザインのモノックニブはハウジングもチタン製のようなので気になっていたのですが、価格とデザインが興味をひくものではないのでお迎えはしていません(そもそも、もう売っていない?)。
下の画像はエボナイト製のペン芯。ゴムっぽいにおいがします。
下の画像がペンポイントのアップ。
通常あるはずのペンポイントのイリジウムが見当たりません。この挑戦はすごいですね。
ペン先ユニットのサイズが長いようで首軸に収まっていません。
下の画像の矢印の箇所です。
ペン先ユニットは接着剤等で固定されていないので着脱が可能。JOWO社6号ペン先が使用可能でカスタマイズ性に優れています。
下の画像はJOWO社製のペン先に交換した状態。
JOWO社製のペン先の場合、ハウジングが見えません。JOWO社製ペン先装着時の方が3mmほどペンの長さ(※)が短くなります。
※ : ペンポイントから尻軸の先端までの長さ
海外のサイトではありますが「fpnibs」で検索してみてください。JOWO社、BOCK社をはじめ、様々なメーカーのニブを購入できます。私も何度も購入しています。
スペインのお店なので送料が 4,000円程度、期間は 1週間程度 必要です。
商品の価格によっては 関税が必要 となります。
ペン先を購入した際の記事です。
チタンニブの書き味
オリジナルチタンニブの書き味ですが、第一印象としてやわらかいです。やわらかいというより ”よくしなる” といった方が適切かもしれません。
これまでBOCK社製のチタンニブは所有していたのでチタンニブの書き味はおおよそはわかっていましたが、ワンチャーオリジナルチタンニブはBOCK社製のチタンニブよりもしなる印象です。
しかし、残念なことにインクフローがあまりよくなく(※)ストレスを感じます。これは個体差の可能性もありますし、長く使っていくうちに改善される可能性もありますが、現段階ではイマイチです。
※ : インクスキップという感じではないのですがたまにかすれます
下の画像はBOCK社製のチタンニブ。
キャップ
上の画像の矢印がインナーキャップ。
商品ページには特に ”バネ” という記載はありませんが、バネが入っているようです。キャップに細いものを押し込むと中に入り込みます。
プラチナ万年筆のスリップシール機構と同じような仕組みと思われます。
スリップシール機構はキャップを回して、最後にバネの力を感じますが、ドリームペン チタン・ブラック 万年筆のキャップは最初に少しペン先を押し込んでからキャップを回さないと閉めることができません。少し慣れが必要です。
クリップ(なし)
クリップは付いていません。
インク補充方式
インク補充方式は カートリッジ/コンバーター両用式。
欧州規格(ヨーロッパ規格)です。コンバーターは付属しています。
サイズ・重さ
長さ | 154mm |
軸のみの長さ | 141mm |
軸最大径 | 15.2mm |
キャップ最大径 | 17.0mm |
重さ (コンバーターを含め全体) | 66.4g |
キャップのみ | 25.1g |
軸部 | 41.3g |
”キャップポストはできません” というわけではないのですが、セットしてもすぐに取れてしまいます。それよりも 軸にキズが付きます。おそらくキャップポストは想定されていないと思われます。
キズが付きにくい ”PVDコーティング” が施されているということなのですがキズが付きました…。
サイズ比較
ドリームペン チタン・ブラック 万年筆は非常に大きな万年筆で迫力があります。
下の画像は大きさ比較のため私の所有している大きい万年筆と並べました。
上からドリームペン チタン・ブラック 万年筆、モンブランマイスターシュテュック149、セーラー万年筆 キングプロフィット(エボナイト)。まったく引けを取らない大きさです。
バランス
重心位置は中央のやや後ろ。軸径の太さと重量があるため手に乗せるだけで力を入れなくとも筆記が可能です。ただ、かなり重量があるため長時間の筆記は手が疲れます。私は重量のあるペンは好きなのですが、さすがに重すぎるなと感じました。
まとめ【ドリームペン チタン・ブラック 万年筆|レビュー】
ワンチャー[Wancher]ドリームペン チタン・ブラック 万年筆、オールチタンの万年筆。
軸だけでにとどまらずペン先までチタンにしてしまうというチャレンジ精神がすごいです(尖ってますよね)。ただ、人に勧めるかというと……。「とにかく重いペンが好き!!」という方は試してみる価値はあるかもしれません。
ペン先の着脱が可能でJOWO社製 6号ニブも使うことができカスタマイズ性には優れています。最初にセットされていたニブはオリジナルチタンニブはM字程度ですがもっと太い字幅でゆったりと使うのはもしかしたら楽しめるかもしれません。
楽天市場での購入はチタンニブのみですが、公式サイトからの購入の場合、スチールニブの選択も可能なようです。
ワンチャー[Wancher]は日本製でありながら、日本の万年筆三大メーカーにはないような特徴のある万年筆(個性のある万年筆)が多くあります。もしかしたら心に刺さる 1本が見つかるかもしれません。
ドリームペン チタン・ブラック 万年筆
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