万年筆ペン先 購入の楽しみ方(BOCK|JOWO)
記事公開日:2024年9月15日(2023年3月12日 公開記事を再編)
日本メーカーの作り出す製品の品質は間違いありません。万年筆の品質に関しても、ご多分に漏れず、高い品質で楽しませてもらっています。
しかし、昨今の日本メーカー万年筆の値上げラッシュ、辛いです……。
海外の万年筆は高いというイメージがありましたが、日本製品の値上げラッシュの影響もあり、以前より「差がなくなってきたのでは?」と思う今日この頃です。
個人的には値上げラッシュ以前からBOCK社、JOWO社のペン先を購入して楽しんでいました。BOCK社、JOWO社のペン先は、自分好みの軸に変更して使うことができるのが醍醐味です(※)。
※:すべての軸で使用できる(変更できる)訳ではありません
ただ、BOCK社、JOWO社のペン先は海外のお店でなければカスタマイズして購入はできないのが現状です。若干ハードルが高いイメージがあるかもしれません。
しかし、お恥ずかしい話ですが英検3級しか持っていない私でも問題なく購入できるので大丈夫です。
■ 万年筆 特殊ペン先(ニブ)の購入方法
Fountain Pen Nibs(FPnibs)
FPnibsのサイト の一部を掲載。
スペインにある ペン と ペン先 を販売するお店。
カラーメッキ、ハート穴の加工、インクフローの調整などペン先をカスタマイズできます。
海外のサイトからペン先のみの購入(コーティングも一切なし)は他にも(Etsy等)何度かあります。
カスタマイズ(コーティングのみを含む)しての購入は「FPnibs」からしかありません。
もしかすると、他にも探せばお店はあるのかもしれませんが、何度購入しても品質がすばらしく、特に不満はないのでFPnibsで購入しています。
他の海外のサイトでもスチール製ペン先で加工なし物は比較的安い価格で購入することも可能です(※)。以前、海外サイトで購入した際、書くことができないことが2回ありました。しかし、FPNibsでの購入の場合、加工なしのペン先でも筆記できなかったことは1度もありません。きっと1つずつ丁寧にペン先、ペンポイントのチェックをしてくれているのだと想像しています。
※:BOCK社製、JOWO社製のペン先が1つ3,000円しない程度+送料1,000円程度
はじめてのペン先(ニブ)の購入
2023年2月にはじめてのペン先(ニブ)をカスタマイズして「BOCK 250(6号/#6)フラッシュ スリット Zoom」を購入しました。
購入価格
”万年筆で一番高価なのはペン先” ということは聞いたことがあると思います。
確かに安くはありません。ペン先+加工賃+送料の価格が下記です。
本体価格 | €160 |
ペンポイント加工 (BBをZoomに加工) | €50 |
コーティング (ホワイトロジウム) | €20 |
送料 (DHL) | €23.08 |
合計 | €253.08 |
※ : 購入時 2023年2月 時点の価格
外貨なので変動しますが「1€=155円」とすると… 39,227円 です。
これにプラスして「関税、消費税、税関手数料」(およそ 2,000円(※))が必要です。
※:他のニブも一緒に購入しているので正確な金額がわかりません
ざっくり 4万円です。かなりいいお値段です。
2023年6月14日 追記
FPnibsのペン先の金額が日本円表記に変更されていました。接続場所で日本と判断され表示を切り替えていると思われますが、日本からでも買いやすいようにということでしょうか。個人的にちょっと感動しました。
この記事のBOCKのニブ以外にも実際に購入したペン先(BOCK、JOWO、PIOLOT)は別の記事にありますのでそちらをご覧ください。
銀色のコーティングについて
銀色へのコーティングですが、ホワイトロジウム と プラチナ があります。
ホワイトロジウムが €20 でプラチナが €15 です。
安い方がいいと思われるかもしれませんが、プラチナはキズがつきやすいようです(※)。
※:ポリッシュ加工(ツヤツヤ加工)の場合はホワイトロジウムの方がよさそうです。それ以外にもツヤ消し加工、サンドブラッシュ(ガラス粒子をちりばめた加工)もあります。
どちらも所有していますが、ティッシュで拭いていただけなのですがプラチナはキズがすぐにつきました。
ほこり等が直接の原因だとは思うのですが、キズがすぐについてしまったので、以降はホワイトロジウムでお願いしています。
購入時に戸惑ったところ
お恥ずかしい話ですが、これまで海外のサイトで買い物をしたことがなかったので、「ん?」と思ったところ(迷ったところ)があります。
住所の書き方
これはもう場数ですよね…。
1回目の注文の時、普通に日本語で住所を記載していました。
すると「Could you translate your shipping address to western typography, please?」とメールが来ました。
一言でいうと「日本語ではわかりません」ということです。
知っている人からすれば当たり前なのかもしれませんが私は戸惑いました。
下記の例を参考にしてください。
例(架空の住所です)
郵便番号:103-0027
住所:東京都中央区日本橋〇-〇-〇 日本橋マンション 101号室
名前:山田 太郎
携帯番号:090-xxxx-xxxx
例 | 入力方法 | |
①(左)Last name | 山田 | Yamada |
①(右)First name | 太郎 | Taro |
②(左)Postal code | 103-0027 | 103-0027 |
②(右)Prefecture (選択式です) | 東京都 | Tokyo |
③City/ward/town/village | 中央区日本橋 | Nihombashi, Chuo-ku |
④Address | 〇-〇-〇 | 〇-〇-〇 |
⑤Apartment, suite, etc | 日本橋マンション101号室 | #101 Nihombashi-Apartment |
⑥Phone | 090-xxxx-xxxx | 090-xxxx-xxxx |
到着するまでの期間
長期休暇期間(年末年始 等)を除けば、おおよそ1週間程度で届きます。
発送までの期間ですが加工が必要な場合でも2日後には発送してくれました(※1)。
そして、DHLですが早いです(経験上)(※2)。
タイミングによるのかもしれませんがお店発送後、2日か3日で日本には到着しています。
最短、発送後2日目に家まで届けてくれました。
※ 1:時差があるので厳密にはわかりません。当然ですが在庫ありの場合です。その他注意事項として、長期休暇の場合はお気を付けください。夏休み等、長い期間お休みされることがあるようです。
※ 2:地域によっては他の配送業者が代行する可能性があるかもしれません。あと、DHLは土日はお休みです。DHL以外ですとUPSになります。地域によって異なるのかもしれませんが、私の住んでいるエリア(関東)では最終的にヤマト運輸が届けてくれます。
関税について
”商品金額+送料” に対して、関税が必要な場合があります。
おおよそ16,666円以下であればかからない(免税)ようですが、詳しくはわからないので気になる方は調べてみてください。
関税の仕組みについては 財務省サイト をご覧ください。
ただ、特別に怖がる必要はなく、DHL(2023年2月 時点の配送業者(※))が立て替えてくれてくれます(手数料が1,100円…)。
購入者としては、受け取り時に支払う、もしくはDHLが事前に関税決済の連絡(ショートメール OR メール)をくれるので、それに従いWebで決済を行えます。
※:1回目はUPSだったのですが、2回目以降、DHLでした。住んでいる地域によって異なるかもしれません。送料はDHLに変わって少し安くなりました(€3程度)。以前は購入時に選択できなかったですが、2023年12月購入時は選択可能でした。
UPSの場合、私の住んでいるエリア(関東)の場合、最終的にはヤマト運輸の方が自宅まで届けてくれて、受け取りの際に関税を支払います。エリアによって配送業者も変わるかもしれませんので参考までです。
その他の購入したペン先
「BOCK 250(6号/#6)フラッシュ スリット」以外に購入したペン先(BOCK、JOWO、PIOLOT)は別の記事にありますのでそちらをご覧ください。
まとめ【万年筆ペン先 購入の楽しみ方】
決して安い買い物ではありませんが、好きな軸で好きなペン先を使うことができるので愛着が沸くことは間違いありません。
日本にもこのようなお店があるといいのですが(実はある?!)、ないということは採算が取れないということなんでしょうね…。
私がお願いしたカスタマイズ以外にも、文字を刻印したり、フレックスニブにしてくれたり自分好みに加工してくれて楽しいです。
楽しいので一度、覗いてみてください(FPnibsのサイトはこちら)。
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