万年筆

キャップレスとキャップレス デシモの違い|キャップレスは書きにくい?!|比較・レビュー

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記事公開日:2023年10月9日

パイロット社製 ノック式万年筆

  • キャップレス(Capless)
  • キャップレス デシモ(Capless Decimo)

の比較記事です。

ここでいう ”キャップレス” は 定価 12,000円 のものを対象としています。
以降、”キャップレス” と記載します。”キャップレス デシモ” は ”デシモ” と記載します。

この記事でわかること

■ 2 商品のスペック・特徴・違い
■ 2 商品の気になるところ・いいところ

キャップレスとデシモの比較 何が違うの?

キャップレス と デシモ を 比較

日本三大万年筆メーカーの パイロット から発売されているノック式万年筆「キャップレス(Capless)」シリーズ。
いくつかシリーズがありますが、その中でも エントリークラス ”キャップレス” と細めの軸である ”デシモ” を比較しました。

万年筆を選ぶ基準

万年筆を選ぶ基準として、ペン先の素材、価格、デザイン、ブランド 等々いろいろあります。何を優先して選ぶかは人それぞれ違います。
キャップレス シリーズ に絞った時点で解決している項目もあります。判断する際の参考になればということで下記の項目を記載しました。

次の項目を記載

■ 公式サイトではわからない ”細かな情報”
■ “いいところ”

キャップレス

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デシモ

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キャップレスとデシモ の比較

パイロット キャップレス(Capless) とは?

世界初

日本三大万年筆メーカーの売上トップ企業のパイロットコーポーレーションが 1963年 世界初のキャップがない万年筆、ノック万年筆として発売されました。

ロングセラー

60年 近く前からあるロングセラー商品ですね。

おそらく当時は衝撃的

キャップのネジを回してキャップを外してキャップポストして文字を書く…それが当たり前の時代に、キャップがないなんて…、かなり衝撃的だったと想像できます。

キャップレスの 公式サイトはこちら
(パイロット公式 キャップレス 商品ラインナップのページリンクです)

特徴・商品スペック情報

サイズ・重さ

キャップレスデシモ
全長 1(※ 1) 140mm139mm
全長 2(※ 2) 137mm137mm
最大径(※ 3)12.8mm11.6mm
重さ(※ 4)30.2g20.0g

※ 1 : ノックしていない状態
※ 2 : ノックしている状態
※ 3 : クリップ部含まず
※ 4 : 本体のみ。カートリッジ、コンバーター含まず

第一印象・素材

キャップレス

全て金属製で丸みを帯た形状です。そのため、自分のあった位置が見つかるはずです。
金属製(黄銅)のためほどよい重さがあります。

クリップが邪魔に感じるかもしれませんがそんなことはありません。 むしろあるおかげで、ペン先の向きがわかって役に立つほどです。
ただ、これはペンの持ち方によりますので、人差し指と親指をつけて筆記する人は邪魔と感じるかもしれません。

デシモ

キャップレス同様、全て金属製で キャップレス よりは細身の形状です。
金属製のためほどよい重さがありますが、金属素材が異なる(キャップレス:黄銅、デシモ:アルミ)こと、さらには細身のためキャップレスより軽いです。

ペン先の比較

ペン先の形状は同じです。
左が ”デシモ”、右が ”キャップレス” です(キズだらけですね…)。
形状は同じですが素材が異なります。デシモは 18金、キャップレス は 特殊合金(いわゆる鉄ペン)です。

カラー展開

色は ”キャップレス” が 5色 展開、 デシモ は 8色 展開です。
ですが、ショップオリジナルカラー、限定カラー等も多く存在し、把握できないほどあります。

キャップレス

  • ブラック
  • ディープレッド
  • ダークブルー
  • ディープイエロー
  • シルバー

キャップレス デシモ

  • ダークブルーマイカ
  • ダークグレーマイカ
  • パールホワイト
  • シャンパンピンク
  • ブラック
  • レッド
  • ライトブルー
  • バイオレット

バランス

キャップレス

下の画像の矢印付近が重心です。ほぼ中心が重心です。
ペン先から上軸に向けて、滑らかな曲線のため非常に持ちやすいです。

デシモ

下の画像の矢印付近が重心です。こちらもほぼ中心が重心です。
先端、後方とどちらが特に重いということもないので持ちやすいです。

気になるところ・いいところ

それでは私の思う ”気になるところ”、”いいところ” です。
選択する際、お役立てください。

共通して 気になるところ・いいところ

気になるところ

■ ノック時にペン芯でシャッター部分を下に押すのでインクが付着する(※ 1)
■ コンバーターのインクの量が少ない
■ ノック音が大きい(音量)
■ ノック距離が長い
■ なれるまで前後 逆に持ってしまう
■ キャップ式万年筆と比べると乾燥しやすい
■ 親指と人差し指をくっつけて持つ人はクリップが邪魔(※ 2)
■ ペン先が小さいため太さの異なる筆記は難しい(※ 3)

※ 1 : べったり 付きます 公式サイトは こちら
(パイロット 公式 キャップレスの構造等紹介のページリンクです)
※ 2 : 書きにくいと感じる方もいるかもしれません。下の画像のようにペンを持つ方です

※ 3:「通常の万年筆と比較して」という前提条件が付きますが、ペン先が小さいためスリットを開いて太い線を書くというのは苦手です

いいところ

■ 万年筆っぽくなく使用することができる
■ ノックすれば書くことができる

注意点

ヘッド部分の水へのつけ置きはNGです。
錆びます

私はやらかしました。
それ以降、洗浄後すぐに布団乾燥機先端にビニール袋を付けて速攻乾かしています。

キャップレス の 気になるところ・いいところ

気になるところ

■ 若干、重く感じる(※ 1)
■ デシモと比較して筆圧が必要
■ 字幅の種類が少ない(※ 2)
■ 一般的なペンと比較すると太い

※ 1 : 太軸のため、そこまで重たいと感じたことはなかったのですが、デシモと比較すると重たく感じます。
※ 2 : 細字、中字のみ。ただ、鉄ペンは金ペンより細い字幅になる傾向があります。

いいところ

■ 軸が太いので手の大きい人には合う
■ 硬めの書き味のため普段はボールペンの人も使いやすい
■ 特殊素材の軸がある(※ 1)

※ 1 : 価格帯が異なるのでこの記事では触れませんが、特殊な軸の商品があります(木軸、螺鈿 等)

デシモ の 気になるところ・いいところ

いいところ

■ 細軸のため手の小さい人にも扱いやすい
■ 万年筆らしい筆記を楽しめる(※ 1)
■ キャップレスと比較して少ない筆圧で書くことができる
■ ペン先がプラチナコーティングでスマート
■ 限定カラー等の軸の色が豊富にある(※ 2)

※ 1:キャップレス も万年筆らしさを味わえるのですが、デシモはペン先の大きさを考えると想像を超えて柔らかいペン先です。キャップレス以上に万年筆らしさを味わえます。
※ 2:「カラー展開」にも記載しましたが、”ショップオリジナルカラー”、”キャップレスデシモ 20カラーズ” といった定番品以外にも軸の色が豊富あって迷ってしまうほどです。
キャップレスにも限定色は存在するのですが、デシモの方が多く存在します。
ほとんどの場合、数量限定なので気に入った色があったら早めの購入をおすすめします。
字幅も通常ラインナップにはない中細字があったりもします。

カートリッジ・コンバーター

カートリッジ・コンバーターは キャップレス、デシモ ともに同じです。

カートリッジインクについての詳細 はこちらの記事をご覧ください。

カートリッジインク(日本メーカー)
カートリッジインク(日本メーカー)

コンバーターについての詳細 はこちらの記事をご覧ください。

コンバーター(日本メーカー版)
コンバーター(日本メーカー版)

まとめ【キャップレスとデシモの比較】

ノックすれば書くことができる万年筆 キャップレスシリーズの比較でした。

私は手が比較的大きいので太軸の万年筆が好きです。
太軸の方が大量に文字を書いても疲れにくいというのがあります。
ただ、外出先で大量に文字を書く機会はそこまで多くありません。

キャップレスの起動力を生かせるのは自宅での筆記よりは外出先での筆記です。
外出先に連れていくなら軽くスマートでやわらかな書き味のデシモかなと個人的には思っています。

比較表

価格は2024年10月現在


キャップレス

デシモ
価格(税抜)12,000円25,000円
ペン先の素材特殊合金18金
全長(※ 1)140mm139mm
最大径(※ 2)12.8mm11.6mm
重量(※ 3)30.2g20.0g
カートリッジメーカーオリジナルメーカーオリジナル
コンバーターメーカーオリジナル
CON-40
メーカーオリジナル
CON-40

※ 1 : ノックしていない状態
※ 2 : クリップ部含まず
※ 3 : カートリッジ、コンバーター含まず

キャップレス

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キャップレス デシモ

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補足:洗浄方法

通常の万年筆と作りが違うので迷われる方がいるかもしれません。
別の記事ですが キャップレスの洗浄方法 がありますのでこちらもご覧ください。

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文房具(特に筆記具)が好きなサラリーマン。万年筆は139本(2024年12月現在)・ボールペンも約100本・シャープペンは約50本、木軸ペン、その他筆記具(フェルトペン、蛍光ペン 等々)も数え切れないほど購入しています。最近は海外のお店から万年筆のペン先を購入し、カスタマイズを楽しんでいます。壊してしまった万年筆が何本もあります。

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