パイロット キャップレス どれにする?|比較(パイロット|万年筆)
記事公開日:2024年11月25日
ペン先(※): オリジナル※ : メーカーオリジナルのペン先
キャップのない万年筆 パイロット「キャップレス(Capless)」。
一見 万年筆に見えませんが、クリップの位置が逆であるなどわかる人にはすぐにわかる特徴のあるデザインです。
キャップレスには4つのシリーズがあります。「キャップがない」という点は共通していますが、少しずつ異なるところがあります。一番わかりやすいのは価格。しかし、価格だけでは決めきれないと思いますので異なる点を比較していきます。
「自分はどのシリーズがいいんだろう?」と迷っている人の参考になればと思います。
■ キャップレス 4シリーズ の違い・特徴
キャップレス 4シリーズの比較
パイロット キャップレス(Capless) とは?
キャップレス(Capless)のおさらいです。
- キャップレス(Capless)について…
(クリックで開閉します) -
世界初
日本三大万年筆メーカーの売上トップ企業のパイロットコーポーレーションが 1963年 世界初のキャップがない万年筆、ノック万年筆として発売されたそうです(「そうです」なのは当時を知らないため)。
ロングセラー
60年 近く前からあるロングセラー商品ですね。
おそらく当時は衝撃的
キャップのネジを回してキャップを外してキャップポストして文字を書く…それが当たり前の時代に、キャップがないなんて…、かなり衝撃的だったと想像できます。
- キャップレスの 公式サイトはこちら。
(パイロット公式 キャップレス 商品ラインナップのページリンクです)
4シリーズの特徴
4シリーズのそれぞれの特徴の前にひとつだけ。
キャップがない以外にキャップレスシリーズ共通している箇所があります。それは「ペン先ユニットの形状」です。特殊合金、18金と素材の違いはありますが「ペン先ユニットの形状は同じ」です。
下の画像がペン先ユニット。
現行のキャップレスシリーズはシリーズが異なっていてもペン先ユニットの形状が同じため、キャップレスの別シリーズの軸でも使うことが可能です(※ 1)。
※ 1:いつ仕様変更になったかはわかりませんが、私の所有している20年年近く前に購入したキャプレスのペン先ユニットはペン先パーツの突起部分の現行の形状と異なり、入らないものがあります。もし、中古等で購入の方は気を付けてください
例)キャップレス(スタンダード)のペン先をキャップレス フェルモで使うことが可能
シリーズごとに字幅を違うものを購入し、ペン先ユニットを交換して楽しむことができるのもいいところです(※ 2)。
※ 2:キャップレスシリーズはキャップがありませんが、フタはあり、そこにインクが付着するので同じインクでしたら問題ありませんが、別のインクで使う場合は洗浄する方が安全です
ペン先ユニットの形状は現行の4シリーズで同じ
キャップレス(スタンダードモデル)
※:他のシリーズと差別化するため、この記事では特殊合金ペン先のもの(定価12,000円のキャップレス)をメインに記載しています
ペン先を出す方法 | ・ノックボタンを押すことでペン先を出し入れする |
重量感 | ・しっかりとした重量と太さがある ・他のシリーズと異なり特殊合金のペン先搭載 |
ひとことメモ | ・長年にわたり愛されている定番モデル |
さらに詳しい情報は別記事があります。
キャップレス デシモ(Decimo)
ペン先を出す方法 | ・ノックボタンを押すことでペン先を出し入れする |
重量感 | ・スタンダードモデルよりも軽く、細身のボディ |
ひとことメモ | ・鮮やかな色合いが特徴で、個性を演出できる ・豊富なカラーバリエーションがある |
さらに詳しい情報は別記事があります。
キャップレス LS
ペン先を出す方法 | 静音性に優れた新しいノック機構を採用 ・ペン先を出す時はノックボタンをノックする ・収納時はペン上部をツイストする |
重量感 | ・ずっしりとした重量と存在感のある太軸 |
ひとことメモ | ・宝石加工技術が使用された美しいデザイン |
さらに詳しい情報は別記事があります。
キャップレス フェルモ(Fermo)
ペン先を出す方法 | ・ペン上部をツイストすることでペン先を出し入れする |
重量感 | ・細軸だがしっかりとした重量 ・ノックボタンがなく、スマートなシルエット |
ひとことメモ | ・他のシリーズにはないツイストによるペン先の出し入れ ・4シリーズの中でペン先付近が一番細い |
さらに詳しい情報は別記事があります。
4シリーズの詳細なスペック
重量・サイズ
価格は2024年11月現在
商品名 | キャップレス (スタンダード) ※ 1 | キャップレス デシモ | キャップレス LS | キャップレス フェルモ |
価格(税抜) | 12,000円 | 25,000円 | 45,000円 | 24,000円 |
ペン先の出し入れ (※ 2) | ノック式 | ノック式 | ノック・ツイスト式 | 回転繰り出し式 |
インク補充の方式 | カートリッジ/ コンバーター両用式 | カートリッジ/ コンバーター両用式 | カートリッジ/ コンバーター両用式 | カートリッジ/ コンバーター両用式 |
カートリッジの規格 | メーカーオリジナル | メーカーオリジナル | メーカーオリジナル | メーカーオリジナル |
字幅 | F(細字) M(中字) | EF(極細字) F(細字) M(中字) | F(細字) M(中字) | F(細字) M(中字) |
全長 1(※ 3) | 140mm | 139mm | 145mm | 148mm |
全長 2(※ 4) | 137mm | 137mm | 140mm | 140mm |
最大径(※ 5) | 12.8mm | 11.6mm | 13.6mm | 12.4mm |
重さ(※ 6) | 30.2g | 20.0g | 41.8g | 33.9g |
※ 1:キャップレス(スタンダード)にはペン先が金の物、軸の素材が異なるものもありますが、この記事では他のシリーズと差別化するため、特殊合金ペン先のもの(定価12,000円のキャップレス)メインとして記載しています
※ 2: ペン先を出す際はノック、収納する際はツイスト
※ 3:ノックしている状態
※ 4:ノックしていない状態
※ 5:クリップ部含まず
※ 6:本体のみ。カートリッジ、コンバーター含まず。カラーによって0.数g異なることがあります
コンバーター
キャップレスは「カートリッジ/コンバーター両用式」。コンバーターを使用する場合、共通でCON-40(別売)です。
インクの吸入量が少ないのとインクの残量がわかりにくいのが難点…。
下の画像はCON-40。
カートリッジインクについての詳細はこちらの記事をご覧ください。
コンバーターについての詳細はこちらの記事をご覧ください。
シリーズごとおすすめな人
キャップレス(スタンダード)
※:他のシリーズと差別化するため、この記事では特殊合金ペン先のもの(定価12,000円のキャップレス)をメインに記載しています
- 筆圧が強い人
- 太い軸が好きな人
- コスパ重視の人
キャップレス(スタンダード)の特殊合金のペン先は、他のキャップレスシリーズの金ペンと比較した場合、硬めのペン先です。
最近の万年筆は鉄ペンも金ペンも差が少なくなってきているとは思います。しかし、キャップレスに関してはペン先のサイズが小さいためか、鉄ペンと金ペンの書き味に大きな差があると感じます。
F(細字)はカリカリします。ボールペンに慣れている人には使いやすいと感じると思います。なめらかに書きたい人はM(中字)の方がおすすめです。
やわらかい書き味がいい人は、予算が許すのであれば金ペン(28,000円(税抜))を検討した方がいいかもしれません。
キャップレス デシモ
- 軽くて細めの軸が好きな人
- 軸の色で個性を出したい人
EF(極細字)でキャップレス(スタンダード)の特殊合金のF(細字)と同じ程度の字幅のように感じます。一方で特殊合金のペン先のようなカリカリ感は感じません。
キャップレス デシモは豊富なカラーバリエーションも魅力です。ショップ限定カラーなども多く存在するため、自分好みのカラーを探すのも楽しみのひとつです。種類が多すぎて迷ってしまうほどです。
以前は軸のカラーにより選択できる字幅が異なりましたが、今は統一(※)されたようです。
※:EF(極細字)、F(細字)、M(中字)
キャップレス LS
- 高級感を求める人
- ノック音を出したくない人
- 太い軸が好きな人
- 重いペンが好きな人
キャップレスシリーズで最上位のモデルです。
キャップレスといえば(※)大きなノック音が気になるところでしたが、そのノック音がなくなりました。はじめてノックした時、衝撃を覚えました。
※:キャップレス(スタンダード)、キャップレス デシモ
昨今の世界的な物価高騰の中、キャップレスシリーズも値上げされました。キャップレス LSは元々高額ですが、値上げ後はさらに簡単に買える金額ではありません。しかし、キャップレス LSの高級感は他にはないものです。
他のキャップレスと比較すると重すぎる気が…。軸の素材を変更して30g前後だったら最高だなと思っています。
キャップレス フェルモ
- 細い軸が好きな人
- ノック音を出したくない人
他のキャップレスシリーズはノックすることでペン先をでしますが、キャップレス フェルモのみ回転繰り出し式(ペン上部をツイスト)とするというひと味違ったキャップレスです。
グリップするペン先付近はキャップレスシリーズの中で一番細いです。真鍮製のため細い軸ですがずっしりと重みを感じる1本です。
回転繰り出し式の回転数が「約1回転必要」なので、片手で握って回転させるのは少し難しいのが難点です。
まとめ【パイロット キャップレス どれにする?】
キャップがない万年筆 キャップレスシリーズ。通常の万年筆とは異なり、手に取ってすぐに筆記可能になるお手軽さが魅力です。
シリーズが異なっても、ペン先ユニットは共通なので、シリーズごとに字幅の異なるものを購入して、いろいろな字幅を楽しむことができるものいいところ。
個人的にはキャップレス LSの軸の素材が変わって10g程度軽量化されたら完ぺきと思っています。出ないかなぁ…。14金のペン先もあったらおもしろそうですね。
キャップレス
デシモ
キャプレス LS
※ : Amazonカスタマーレビューに移動します
キャップレス フェルモ
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キャップレス LS の記事もありますのでこちらもご覧ください。
キャップレス フェルモ の記事もありますのでこちらもご覧ください。
キャップレスとプラチナ万年筆 キュリダスの比較 記事です。
補足:洗浄方法
通常の万年筆と作りが違うので迷われる方がいるかもしれません。
別の記事ですが キャップレスの洗浄方法 がありますのでこちらもご覧ください。