キングプロフィットST(KOP)|レビュー(セーラー万年筆|万年筆)
記事公開日:2021年9月20日
ペン先(※): オリジナル※ : メーカーオリジナルのペン先

セーラー万年筆 キングプロフィットST(KOP) 中字 カラーはブラック(ブラック×ゴールド)です。
手に取った瞬間、まるで特別な時間がはじまったかのような感覚に包まれます。さらに、驚くほど滑らかな書き心地が、書くことの楽しさを一層引き立て、手放せなくなるでしょう。
キングプロフィットのいいところ
- メンテナンスしやすい
- 大型万年筆でありながらカートリッジ/コンバーター両用式なのでメンテナンスがしやすいです。

- ゆったり筆記を楽しめる
- 太軸であるため手に力を入れずに持つことができます。手に力が入らないと不思議と心にもゆとりが生まれ、ゆったりとした気持ちで文字を書くことができます。

- インクの濃淡を堪能できる
- インクフローが良いです。「ドバドバ」ということではなく、節度のあるインクフローです。大型ニブということもあり、インクフローとの相乗効果でインクの濃淡を堪能できます。

私が所有している万年筆の中で一番大きな万年筆です。書き味は 間違いない です。
セーラー万年筆 キングプロフィット

セーラー万年筆 キングプロフィットST カートリッジ/コンバーター両用式の万年筆です。
カラーは ブラック × ゴールド(仏壇カラー)です。
「これぞ万年筆!」を感じる 1本
「これぞ万年筆」と感じることができる 1本です。
理由は下記です。
- インクフローが良い
- ペン先がほど良くしなる
- なでる感覚で文字を書くことができる
インクフローは良いのですが、節度のある ほどよいフローです。「ドバドバ」という感じではありません。
ペン先の硬さには好みもあるとは思うですが、ほど良くしなり、書いていて気持ちがいいです。
ペン先で紙をなでただけでしっかりとした文字を書くことができます。
まさに自重で書けるとはこのことです
(尻軸をつまんで紙をなぞっても文字を書くことができます)。
初めての筆記
キングプロフィットをお迎えするまでに約100本の万年筆を試してきました。
キングプロフィットで初めて筆記した時、思わず「お~~~っ!」と声が出ました。
これが「本当の万年筆なんだろうな」と感じました。装飾せず文字で表現すると「感動した」という表現がしっくりきます。語彙力がないので気の利いた言葉がわかりません…。ただ、本当に感動しました。
特徴・スペック
特徴
大きさ
とにかく大きいです。
大きさ比較のために並べてみました。
上から、セーラー万年筆 プロフィットスタンダード、 セーラー万年筆 プロフィット21、モンブラン マイスターシュテュック149、一番下がキングプロフィットです。

プロフィット21 もそこそこ大きい部類だと思うのですが小さくみえてしまいます。
形状
「THE 万年筆」という形状です。

ペン先
ペン先にはメーカーロゴ、21金 が刻印されています。
キレイなバイカラーです。

左からキングプロフィット、モンブランマイスターシュテュック 149、プロフィット21 です。
マイスターシュテュック 149 とほぼ同じ大きさです。

サイズ・重さ

計測箇所 | サイズ |
全長 | 152mm |
キャップをはずした長さ | 132mm |
キャップポストした時 の長さ | 165mm |
キャップのみの長さ | 72mm |
胴軸最大径 | 15.4mm |
キャップ最大径 (クリップは除く) | 18.0mm |
計量パーツ | 重量 |
全体 (コンバーターを含む) | 34.9g |
軸部のみ | 22.1g |
キャップのみ | 12.8g |
作り
レジン
クリップ、留め金以外 はレジン製です。
プロフィットスタンダード、プロフィット21 と同じ素材です。
同じ素材ですが、持った時、若干厚めに感じます(気のせいかもしれません)。
大きさ
特徴でも記載しましたがとにかく大きいです。
キャップ
キャップはネジ式です。公式サイトにも記載はないのですが、インナーキャップにはおそらくバネが入っていると思われます。キャップを締めていると最後に グッ と入り込む感覚があります。細い棒状のものを試しに入れたところ、数ミリ中に入り込みました。バネもしくはそれに代わるものが入っています。
乾燥にはかなり強いです。
コンバーター
コンバーターが標準で付属しています。

インク残量が見える小窓がついています。

バランス
筆記の際は、キャップポストしても、しなくてもどちらもバランスはいいです。
大きいので個人的にはキャップポストしない方がしっくりきます。
長時間筆記も気にならない
どちらにしても軸が太めでなめらかな流線型のため自然に手で包み込むような持ち方になり、手にフィットし長時間の筆記も気にならないです。大きいですが重さをあまり感じません。バランスが良いからだと思われます。
重心
重心位置の2画像です。
まず、キャップポストした場合の重心はちょうど中心付近です。

キャップポストしない場合、真ん中より気持ち前付近、一番太いところです。

書き味・字幅
書き味
すでに記載しましたがはじめて筆記した際に思わず「お~~~!」と声が出てしまいました。
新品のはずなのに長年使用してきたかのような書き味で素晴らしいです。
ニブが大きいためとそのような設計だと思いますが、ペン先はやわらか目でよく言われるセーラー万年筆の書き味(プロフィット21 と比較)よりやわらかい印象です。
筆圧がなくても書くことができるので、プロフィット21のようなのサリサリ感はほとんど感じないです。
とても気持ちよく筆記できます。
中字であることも要因であると思います。
モンブラン マイスターシュテュック149(※) と比較すると明らかにキングプロフィットの方がやわらかい書き味です。
※:年代(製造時期)によってニブの金含有量、ペン芯の素材・形状等が異なり、書き味が異なるようですが、私の所有しているものは現行品
字幅
私の所有しているものは中字です。
他に発売されているものは太字です。
個人的には極太字があったらおもしろそうだなと思います。
細字もあったら試してみたいですがここまでの気持ちよく書ける感じはなくなってしまうでしょう。
字幅サンプル
紙は マルマン ニーモシネ 方眼 5mm 、インクはパイロット ブルーブラックです。

気になるところ
個人的には下記の点が気になります。
※ 1:完全に好みの問題です。個人的には「ブラック × シルバー」がうれしいです。限定品であったようですが私が購入するタイミングでは「ブラック × ゴールド」しかありませんでした。
※ 2:キングプロフィットに限ったものではありませんが大型万年筆がゆえに小回りが効きません。小さい文字の筆記には向きません。自宅でゆったり、どっしり書く用として使うのが正解だと思います。
※ 3:カートリッジ/コンバーター両用式なのメンテナンス性は良いのがメリットではあります。ただ、本体サイズの割にコンバーターが従来のものと同じなので小さすぎる印象です。「キングプロフィット用」等の大きなコンバーターがあれば良いなと思います。
まとめ【キングプロフィットST(KOP)】
「THE KING OF PEN」と聞いた時「大きく出たな…」と、正直思ってしまいましたが、その言葉に恥じなペン(万年筆)だと思います。書いていて気持ちがいいです。
日本製ですので品質は間違いないです(海外製ですとたまに調整が必要なものもありますので…)。
「これぞ万年筆!」と感じることができる一本です。
ヌラヌラ感を味わう、一生モノの一本にも成りうる万年筆、セーラー万年筆 キングプロフィットST でした。
モンブランマイスターシュテュック 149(現行品)は 硬い書き味(俗に言う「ガチニブ」) なので、ソフトな書き味を求めている人 にはおすすめできます。
硬い書き味、ステータスを求めるのであればモンブラン 149 だと思います。
購入検討の際にお役立てください。
もし、次も買えるならエボナイト軸も狙います。
→ 2022年1月 お迎えしました。

関連記事・おすすめ記事
モンブランマイスターシュテュック 149 の記事です。

セーラー万年筆 キングプロフィット エボナイトの記事です。

セーラー万年筆 長刀研ぎ の記事です。
