長刀研ぎ シルバートリム 万年筆|レビュー(セーラー万年筆|万年筆)
記事公開日:2024年11月14日
ペン先(※):オリジナル※ : メーカーオリジナルのペン先
長刀研ぎ シルバートリム 万年筆(ブラック × シルバー)。
フレックスニブとはまた違った、トメ・ハネ・ハライ の美しい文字を書くことのできる セーラー万年筆 の特殊ニブ「長刀研ぎ」。カートリッジ/コンバーター両用式です。
長刀研ぎ シルバートリム 万年筆
長刀研ぎ シルバートリム 万年筆(以降、「長刀研ぎ」とします)カートリッジ/コンバーター両用式の万年筆です。カラーは ブラック × シルバー です。
日本語を美しく書くことができる万年筆
文字が美しく書くことができる万年筆です。
フレックスニブは慣れるまでに少し時間を要します。筆圧の強い人は使うことができない場合もあります。しかし、長刀研ぎは筆圧の強弱ではなく、ペン先の角度により描き出される線の太さ変わるので、筆圧が強めでフレックスニブが苦手な方でも、味のある美しい文字を書くことができます。
当然、限度はありますが、ちょっと力も入れてもスリットが開き インクスキップするということはありません。
改定前の価格で販売しているショップが一部存在します。お早めに。
特徴・スペック
特徴
一つ目の特徴は ”サリサリ” とした筆記感。これは 長刀研ぎ に限った話ではなく、セーラー万年筆はすべてそうです。
好みもあると思いますが、ほど良い引っかかり感があり、私は好きです。
そして、ペン先の素材の21金。一般的には柔らかくても18金を採用するメーカーがほとんど。しかし、セーラー万年筆といえば21金(14金もあります)。
21金ですがほど良くコシがあり、「フワフワして書きにくい」ということはありません。”グッ” と力が入れると無駄な力を吸収し、手への負担を軽減してくれます。
ペン先が鉄ペンでも形状によって柔らかくすることもできます。しかし、鉄ペンの作られた柔らかさとはひと味違った柔らかさ、柔軟性のようなものを感じます。”ゆっくりしなって、ゆっくり戻る” ような感覚です。
これは感覚的な要素(感じ方)もあるので伝わらないかもしれません。しかし、個人的にはそのように感じています。
もしかしたらこの感覚を鉄ペンでも再現できるのかもしれませんが…。現在の技術はスゴイですからね。
作り
形状
”THE 万年筆” という形状です。
(同じサイズ感の)プロフィット21 とは少し違ったキャップリング。カッコいいです。
ペン先
ペン先にはメーカーロゴ、21金 が刻印されています。
スッキリとしたペン先です。ペン先を違った角度から。
レジン
クリップ、留め金と胴軸の接続部以外はレジン製です。胴軸の接続部が プロフィット21 と異なります。
プロフィット21 は胴軸部の接続部は樹脂製です。一方、長刀研ぎ胴軸部の接続部は金属製です。
左が プロフィット21、右が 長刀研ぎ です。
これは私の妄想の可能性もありますが、長刀研ぎ の軸の方が柔らかく感じています。
エボナイト軸のようなしっとりとは違うのですが、柔らかく感じます。爪でコツコツすると音がちょっと違います。接続部が金属だからかも?
4、5年前のプロフィット21と比較してですが、素材が変更された可能性もあります。
キャップ
キャップはネジ式。約1.75回転 回す必要があります。プロフィット21 は約2回転なので、わずかに回転数が少ないです。
コンバーター
コンバーターは付属しています。
サイズ・重さ
計測箇所 | サイズ |
全長 | 141mm |
キャップをはずした長さ | 124mm |
キャップポストした時 の長さ | 154mm |
キャップのみの長さ | 67.6mm |
胴軸最大径 | 13.3mm |
キャップ最大径 (クリップは除く) | 17.1mm |
計量パーツ | 重量 |
全体(※) | 24.5g |
軸部のみ | 13.9g |
キャップのみ | 10.6g |
※:カートリッジ、コンバーターを含みません。コンバーターは2.9gです。
大きさ比較
比較のため並べてみました。上が プロフィット21、下が 長刀研ぎ です。
収納時の全長は同じですが、キャップの長さが少し異なります。
バランス
筆記の際のバランスは キャップポストしても、しなくてもどちらもバランスがいいです。
どちらもバランスがいいと思うのですが、個人的にはキャップポストしない方がしっくりきます(好みの問題かもしれません)。
重心位置の2画像です。
まず、キャップポストした場合の重心はちょうど中心付近です。
キャップポストしない場合、真ん中より気持ち前付近、一番太いところです。
なだらかな流線型のため自然に手で包み込むような持ち方になり、手にフィットし長時間の筆記も気にならないです。
また、”21金 + ペン先の形状によるクッション性” に富んでいるため疲れにくいです。
サスペンションの効いた車に乗っている感覚というところでしょうか…。
書き味・字幅
書き味
書いていて本当に気持ちがいいです。
セーラー万年筆の通常のペン先も書いていて気持ちがいいのですが、通常のペン先よりもさらに上を行く感じがします。
長刀研ぎはペンを立てると細く書ける、寝かせると太く書ける訳ですが、どの角度で書いても同じサリサリ感です。これは感動しました。
字幅
私の所有しているものは中細字です。紙は ノーブルノート 5mm 方眼です。
気になるところ
個人的には下記の点が気になります。
※ 1:セーラー万年筆のコンバーターは1種類しかないので仕方ないですが、もう少し吸入できれば良いなと思います。2サイズあってもいいのになと思います
※ 2:プロフィット21の3倍(2024年11月現在)です。すばらしい書き味ですが、そう簡単に購入できる金額ではありません。万年筆ユーザーが爆増して飛ぶように売れれば価格が下がるはずです。2、3年前まで5万円だったと思うのですが……。物価高おそろしいです
まとめ【長刀研ぎ シルバートリム 万年筆|レビュー】
文字が美しくなる万年筆です。長刀研ぎは筆圧の強弱ではなく、ペン先の角度により描き出される線の太さ変わるので、筆圧が強めでフレックスニブが苦手な方でも美しい字を書くことができます。
セーラー万年筆の特徴である「サリサリ感」も持ち合わせた、書くことが楽しくなる1本です。
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