おすすめのスケルトン万年筆(吸入式)違ったタイプから3選
記事公開日:2021年7月18日

スケルトン(透明軸)の本格的な万年筆(吸入式)の比較を行ってみました。
軽やかな透明軸万年筆。インクの色を直接見ることができ、楽しさがアップします。
最近、お迎えしたスケルトン万年筆です。中国のメーカーのようなのですが、高品質でありながら、この記事に記載の3本よりもお手頃な価格(2024年時点で7,500円)で購入できます。かなりおすすめです。

「スケルトン(透明軸)万年筆(吸入式)」の比較を行っています。
シルバー基調の方が爽やかな印象なので「透明軸 × 銀」のもので、生産国の異なる商品(日本製、台湾製、ドイツ製)にしました。
3商品どれもすばらしい商品ですが、万年筆は好み(書き味、重量、太さ、バランス、デザイン 等)が人それぞれ違いますので判断する際の参考になればと「詳細な情報」 と私が思う「気になるところ/いいところ」を記載しています。
おすすめのスケルトン万年筆(吸入式)
パイロット カスタムヘリテイジ92 とは?
以降、カスタム92 と記載します。

日本代表
日本三大万年筆メーカーの売上トップ企業のパイロットコーポーレーションが誇る「カスタム」シリーズのシルバー基調バージョンのカスタムヘリテイジです。
「幅広い世代に訴求できるシンプルな万年筆」ということで売り出されている商品の透明軸 吸入式モデルとなります。
同じサイズ感のカスタムヘリテイジ91
少し作りが違います(カスタムヘリテイジは カートリッジ/コンバーター両用式)が、カスタムヘリテイジ91とほぼ同じサイズです。
下の画像はサイズ感を比較するための カスタムヘリテイジ91 と並べたものです。

ペリカン M205 クラシック デモンストレーター とは?
以降、M205 と記載します。

ドイツ代表
ドイツを代表するペリカン社より発売されている商品です。
ペリカンのデモンストレーターシリーズは、ボディとキャップに透明にすることで、内部のインク吸入機構やキャップの内部構造などを簡単に観察できる特別仕様の万年筆です。
万年筆好きの間ではペリカンスケルトンモデルを略して「ペリスケ」と言われたりもします。
現段階(2021年7月18日)では比較的容易に購入できますが、特別生産品なので「限定品(定番品ではない)」です。
TWSBI ダイヤモンド とは?
以降、ダイヤモンド と記載します。

新鋭ブランド代表
台湾を代表するの比較的新しいメーカーです(日本での発売開始は 2018年)。
ご存知ない方は下記の「TWSBI(ツイスビー)とは?」をご覧ください。
TWSBI(ツイスビー)とは?
台湾の筆記具メーカー・三文堂の万年筆を中心とした筆記具ブランドです。
三文堂は、プラスチック製品や金属製品の製造に強みがあり、有名筆記具ブランドのOEMを40年以上も請け負ってきた実績のある2009年に設立されたメーカーです。
三文堂 = 「San Wen Tong」のイニシャルを逆に並べ替え、台湾の言葉で筆を表す「BI」を加えて「TWSBI」となったそうです。
つまるところ、長年のOEMでの経験・ノウハウを持った企業で「品質は間違いない!」ということです。
TWSBIのフラッグシップモデルで、高級レジンを使用したダイヤモンドのようなクリスタルカットのボディが特徴です。光の角度によりキラキラとキレイに光ります。
透明軸は クリア・ライトな印象 がゆえに安っぽく見えてしまう傾向がありますが、ダイヤモンドはその考えを拭い去ってくれます。
TWSBIのフラッグシップモデルで、高級レジンを使用したダイヤモンドのようなクリスタルカットのボディが特徴です。光の角度によりキラキラとキレイに光ります。
透明軸は クリア・ライトな印象 がゆえに安っぽく見えてしまう傾向がありますが、ダイヤモンドはその考えを拭い去ってくれます。
手を汚さずインクが補充できる
通常のインクボトルからもインクを吸入できますが、専用インクボトル(別売)を使えば、手を汚すことなく簡単にインクを吸入できます。
分解OK?!
分解するためのツールが標準で付属していて、説明書通りであれば分解してもメーカー保証されるところが他のメーカーにはない点です。
分解パーツと分解後は後ほど。
特徴・商品スペック情報

第一印象
- カスタム92
- 2商品と違いこちらはペン先が14金製です。
さすがパイロットといった書き味です。
パイロットの中でも最も使いやすいとされる大きさ(5号サイズ)ニブが採用されています。
金製ではありますがニブサイズがそこまで大きくないため硬めです。
パイロットらしく、書き味はなめらかで、筆跡に適度な濃淡を出すことが出来ます。
本格的な「金ペン入門商品」としてもピッタリです。
- M205
- ドイツ、いや世界を代表するペリカン社の商品です。
なんといってもペリカンの万年筆を持っているというステータスはやはり魅力的ですね。
3商品の中で一番サイズが小さい(長さ、太さ、重さ)です。
手の小さい方、手帳に差して等、小さめのサイズを探している人には良いです。
ニブが薄めに作られている(個人的感想)ため、3 商品のなかで一番しなります。
字幅がEF字なのと、これは、個体差かもしれませんがカリカリした書き味です。
ペリカン万年筆の特徴であるクリップと天冠の親子ペリカンが健在です。
親子ペリカン、可愛いですよね。
- ダイヤモンド
- 3商品の中で一番サイズが大きい(長さ、太さ、重さ)です。
ペン先はスチール製のBOCK社製(ドイツ)で、硬めではありますが書き味はなめらかです。
質の良い樹脂を使っている印象でしっかりしています。
画像だけでは伝わらない可能性がありますが他の 2 商品と比較して、樹脂に厚みがあり、頑丈そうです。
雑に扱っても壊れなそうな印象すら感じます(もちろん丁寧に扱ってます)。
ペン先を購入した際の記事です。

ペン先の比較

左から M205、カスタム92、ダイヤモンド です。
ほとんど大きさは変わりませんね。長さは一緒、幅が若干違う程度です。
バランス
- カスタム92
- 下の画像の矢印付近が重心です。
1枚目がキャップポストしていない状態、2枚目がキャップポストした状態です。
個人的にはどちらでもバランスが良いですが、若干キャップポストした方が良いかな…という感じです。
- M205
- 下の画像の矢印付近が重心です。
1枚目がキャップポストしていない状態、2枚目がキャップポストした状態です。
そもそもが軽く、短いのでキャップポストした方がバランスが良いと感じます。
- ダイヤモンド
- 下の画像の矢印付近が重心です。
1枚目がキャップポストしていない状態、2枚目がキャップポストした状態です。
元々重量があるのと長さもあるのでキャップポストしない方が個人的にはバランスが良いです。
キャップ自体の重さも結構ある(キャップだけでM205よりも重い…)のでキャップポストすると筆記の際、 キャップに振り回される印象です。
価格・仕様
2024年10月1日 時点
![]() | ![]() | ![]() | |
価格(税抜) | 27,000円 | 16,000円 | 12,000円 |
字幅(※) | F・FM・M・B | EF・F・M・B | EF・F・M・B |
ペン先の素材 | 14金 | スチール | スチール |
インク吸入量 | 約 1.2ml | 約 1.4ml | 約 2.0ml |
※:字幅に関してはよく言われる通り、海外製の字幅は日本製よりも太めです
サイズ・重さ
![]() | ![]() | ![]() | |
全長(※ 1) | 136mm | 125mm | 142mm |
本体のみの長さ | 122mm | 122mm | 131mm |
キャップポスト した長さ | 150mm | 148mm | 178mm |
最大径(※ 2) | 14.6mm | 13.0mm | 14.8mm |
軸最大径 | 11.8mm | 11.6mm | 12.8mm |
全体の重さ(※ 3) | 20.0g | 13.2g | 28.2g |
軸部のみの重さ | 11.9g | 8.5g | 14.7g |
キャップのみ重さ | 8.1g | 4.7g | 13.5g |
※ 1:キャップをした状態
※ 2:クリップ部含まず
※ 3:本体のみ
気になるところ・いいところ

「気になるところ」、「いいところ」を見てみます。
共通して 気になるところ・いいところ

※ 1、2:メリットであり、デメリットでもあります
※ 3:既に記載の通りダイヤモンドのみ若干の凹凸あります
※ 4:万年筆をしばらく使用していると、どうしてもインク汚れが軸内部にも付着することがあります

※ 1:対義として「黒だと重厚感がある印象」という意味です
カスタム92 の 気になるところ・いいところ
※ 1:漏れ等は発生したことはないのですがなんとなく不安です
※ 2:こちらも余計な心配かもしれませんがちょっとだけ気になります。下の 2 枚目 の画像なのですが画像ではわかりにくいですね…。


※ 1:もちろん他の 2商品も代理店があるので受けることができますが、パイロットと比較すると取り扱い店舗が少ないという意味で敷居が若干高くなります
M205 の 気になるところ・いいところ
※ 1:他の 2 商品と比較すると若干おもちゃっぽく感じます
※ 2:こちらはメリットでもデメリットでもあります
※ 1:3 商品の中で 1番しなります
※ 2:メーカー推奨ではないので自己責任でお願いします
下の画像がペン先を外した状態です。
M205 に限らずペリカンはペン先を外すことが出来ます(全てかは不明ですが少なくともスーベレーンは…)。

ダイヤモンド の 気になるところ・いいところ
※ 1:透明軸はクリア・ライトな印象がゆえに安っぽく見えてしまう傾向があります。ダイヤモンドはその考えを拭い去ってくれました
※ 2:伝わりにくいですが下の 2枚目の画像です
※ 3:透明軸の場合、長く使用しているとどうしてもインク汚れが内部に付きますが、ダイヤモンドは分解可能なので内部までキレイにすることが可能です
下の画像が分解したところです。


まとめ

透明軸はインクの色が直接見えるため、色彩を楽しむことができます。
特に、カラフルなインクを使用する場合、万年筆全体がカラーパレットのように感じられます。
また、インクの残量を確認しやすいく「あれ?インク切れだ…」というトラブルも発生しにくいです。長時間の筆記や重要な場面で、インク切れを防ぐことができます。
万年筆の構造や仕組みが視覚的に楽しめるのも魅力です。この記事に掲載しているものは吸入式なのでピストン式の動きが見え、万年筆機構の美しさ・楽しさを感じることができます。
繰り返しになますが、3商品どれもいい万年筆です。
ですが、万年筆は好み(書き味、重量、太さ、バランス、デザイン 等)が人それぞれ違いますので判断する際の参考になればと思います。
- 参考までに…
- TWSBIに関してはダイヤモンドよりもランクが下のシリーズに「eco-t」というシリーズがあります。こちらは作りが少し簡素になりますが、ダイアモンドよりは手軽に購入できます。気になる方はチェックしてみてください。
持つところが 3角形になっていて万年筆初心者の方にも扱いやすいです。
もしかしたら、ダイヤモンドよりもポップな印象があって良いかもですね。
「eco-t」はペン先が外せません。
下の画像が「eco-t」です。
ペリカン クラシック M205 デモンストレーター
TWSBI ダイヤモンド クリア
TWSBI eco のリンクも貼っておきます。
関連記事・おすすめ記事
日本製金ペンエントリーモデルの比較 の記事です。
はじめての金ペン選びで失敗したくない人はご覧ください。
