初心者向け|万年筆の洗い方(洗浄方法)これだけ覚えておけばOK!
記事公開日:2022年9月11日
万年筆は ”毎日使うことが一番のメンテナンス” といわれます。使用することによりインクが流れ、メンテナンスされるということです。
日々使うことがメンテナンスですが、それ以外で必要なもの(メンテナンス)が ”洗浄” です。万年筆を長い間使っていくためには必要な作業です。
毎日、使っていたとしても、2、3ヶ月に 1度は洗浄してあげると、万年筆も(きっと)喜びますし、快適に使っていくためにも必要な作業です。
■ 洗浄を行う頻度・タイミング
■ カートリッジ/コンバーター両用式万年筆の洗浄方法
■ 吸入式万年筆の洗浄方法
この記事を書いた管理者
これまでに136本の万年筆を購入してきました(2024年11月現在)。最近では海外からペン先を購入してカスタマイズを楽しんでします。それらの知識をもとに記事を記載しています。
万年筆を洗浄する頻度・タイミング
どのような時、洗浄する必要があるか見て行きましょう。
どんな時に洗浄するの?
洗浄の必要なケースは次の場合です。
- 2、3ヶ月に一度の定期洗浄
- インクの色を変えたい時
- しばらく使用しない時
- インクの出が悪い時
・ 定期洗浄
明確な決まりはありませんが定期的に洗浄することをおすすめします。
私の場合、カートリッジなら ”〇本交換したら”、吸入式の場合、”〇回インク補充したら” と決めています。
と、記載しておいて申し訳ありませんが私は ”インクの色を変えたくなって洗浄する” のが一番多いです…
・ インクの色を変える時
たとえ同じメーカーのインクでも色が違う場合、予期せぬ化学変化を起こし、万年筆をダメにしてしまうことがあります(※)。
インクの色を変える時は洗浄が必要です。
※ : 正確には ”あるそうです” です。私は今のところダメにしたことがありません
・ しばらく使わない時
しばらく使わない時、インクを入れたまま保存しておくとインクが乾燥してしまい、最悪の場合、固まってしまい万年筆をダメにしてしまうことがあります。
・ インクの出が悪い時
長期間使用していると気づかない間(小さくて気づけない可能性も)にペン先に筆記の際の紙の繊維などが詰まったり、インクが固まり、固着してしまい、インクの出が悪くなることがあります。
不要なものを洗い流すために洗浄が必要となることがあります。
インクが出ない時の対処方法は別の記事がありますので、そちらをご覧ください。
万年筆の洗い方(洗浄方法)
万年筆の洗い方を確認しましょう。
”カートリッジ/コンバータ両用式”、”吸入式” の 2つに分け、それぞれ洗い方を紹介します。
カートリッジ/コンバーター両用式
用意するもの
- コップ
- 水道・水道水
- 柔らかい布またはティッシュ
- 洗浄キット(あるといい)
手順
STEP1
首軸と尻軸を外す
STEP2
首軸だけの状態にして、水道で洗う。
この時、コンバーターも洗ってしまいます。
この後の工程でもありますが、コンバーターで水の出し入れを行うと速くキレイできます。
STEP3
コップに水を入れ、首軸を浸し、一晩ほど放置しておく。
インクの色が濃く出るようなら水を替える。
STEP4
つけ置きした首軸を再度水道で洗う。
STEP5
首軸にコンバーターをセットする(洗浄キットがあるとコンバーターより簡単に洗浄できます)。
ペン先を水にいれ、インク吸入と同じ要領で水を出し入れを行い、ペン芯に残っているインクを洗う。水がキレイになるまで繰り返す。
STEP6
柔らかい布 または ティッシュ でペン先の水気を拭き取る。
以上です。
水は 常温の水道水
以前、お湯で洗浄後、それ以降インクが出なくなってしまった古い万年筆がありました。
個人的に熱い(高温)のつもりはなかったのですが、デリケートなペン先ですので、できる限り水がいいです(お湯の場合、手でも熱くないぬるま湯レベルをおすすめします)。
どなたかの YouTube でも水をすすめていたものがあって「こういうことか…」と思いました。
厳密にいうと水道水も塩素等が含まれているのでダメなのかもですが…。
おまけ
STEP5 でコンバーターを使用し、ペン先を洗浄しました。
コンバーターがない場合、各社から専用の洗浄キットが市販されているので使用すると簡単に洗浄できます。
下の画像はパイロットの洗浄キット。
パイロット 洗浄キット
※ : 洗浄液がついています
セーラー万年筆 洗浄キット
※ : 洗浄液はついていません
プラチナ万年筆 洗浄キット
※ : 洗浄液がついています
プラチナ万年筆 洗浄キット(欧州規格用)
※ : 洗浄液がついています
洗浄キットの作り方
市販がされているものもありますが、市販されていない(市販されていなかった)メーカーもあったので自作して使っているものもあります。興味がある方はご覧ください。
パイロット用(欧州規格にも応用可)
下の記事はパイロット用の洗浄キットの作り方です。以前は市販されていなかったのですが、最近はようやく市販されるようになりました。しかし、パワーが少し弱いと感じるので私は自作したものを使用しています。
カートリッジを欧州規格にすれば欧州規格の洗浄キットとしても使えます。
ラミー(LAMY)用
こちらはラミー用の洗浄キットの作り方です。こちらは現在も市販されていませんのでご覧ください。
吸入式
用意するもの
- コップ
- 水道・水道水
- 柔らかい布またはティッシュ
手順
STEP1
ペン先を水にいれ、インク吸入と同じ要領で水を出し入れを行い、インクを洗う。
水がキレイになるまで繰り返す。
※ : 相当な回数、水の出し入れを行う必要があります
STEP2
コップに水を入れ、首軸だけ水に浸して一晩ほど置く。
首軸の 樹脂製の部分のみ 水につけてください。
胴軸の素材が水のつけ置きに対応していない場合があります。
※ : 不安な場合はつけ置きはしない方がいいかもしれません
STEP3
柔らかい布 または ティッシュ でペン先の水気を拭き取る。
以上です。
常温の水道水 もしくは ぬるま湯 を使用する
以前、お湯で洗浄後、それ以降インクが出なくなってしまった古い万年筆がありました。
個人的に熱い(高温)のつもりはなかったのですが、デリケートなペン先ですので、できる限り水がいいです(お湯の場合、手でも熱くないぬるいぬるま湯レベルをおすすめします)。
どなたかの YouTube でも水をすすめていたものがあって「こういうことか…」と思いました。
厳密にいうと水道水も塩素等が含まれているのでダメなのかもですが…。
まとめ【万年筆の洗い方(洗浄方法)】
万年筆は長い間使っていると使っている人の書き方・手になじみ、手放せないものになっていきます。
メンテナンスすることで、さらに書きやすくなるだけでなく、見た目も良くなります。
少し面倒と感じるかもしれませんが定期的に洗浄して、末永く使ってあげてください。
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